横須賀の現状について

今回の横須賀市議選は多くの新人が立候補するといわれています。43人の議席数に対して、現職37人に約30人の新人候補。それを聞いた人達は「すごいね~」「看板も大変な長さになるね」「宣伝カーの台数も大変だね」等さまざまな驚きの声をあげます。

なぜ、こんなに多くの新人候補が出馬を決断したのかという事に対して、私なりの感想を述べたいと思います。要因は沢山あると思いますが、大きな要因の一つは横須賀市、自分達が生まれ育ったこの町に対する閉塞感、将来に対する不安感だと思います。

高齢になった人達を支えていくにはこの町は十分な整備が整っているのだろうか?子育てをするには、この町は十分な支援をしてくれているのだろうか?この町で生計を立てたい、働きたいと思っても思うような就職ができない、夫婦共かせぎで奥様がパートにつきたいと思ってもままならない。

福祉は…?子育ては…?
そんなことを考える時にこの町に不満を持ったり、不安を覚える人達は少なくないのです。つけ加えるに、横須賀にあった大きな企業が、こぞってこの町を出ていってしまいました。関東自動車も、住重も、日産もあげたらきりがありません。

何故なんだろう。どうしてこの町に引きとめる事が出来なかったんだろう。この先、今の状態で新しい企業の誘致が出来るんだろうか。元気な町によみがえる事が出来るのだろうか?

商店街はシャッター通りになってしまい、昔からあったお店はどんどんやめていってしまう。夜のタクシーの待合いの場所にはタクシーの列ができてしまう。

このままでは自分達の町がとり残される…。

現在、神奈川県の中で横須賀市は財政収支率が三浦市についでワースト2です。以前は横浜・川崎についで3番目の人口を有し、元気だったこの町が何故、こんな淋しい町になってしまったのだろう。

神奈川県は、東京都につぐ全国で2番目の大都市になったというのに、横須賀市は人口も減る一方です。その内訳をみると、この町を出ていってしまった人、いわゆる社会減によるものが大というところに問題があります。

他の問題もあります。
横須賀市には多くの地場でがんばっている建築業や土木業の方々も沢山います。災害があったりしたら、自ら応援部隊となってこの町を救おうと思っている人達です。この人達に対しても、この町は冷たすぎると思っています。

行財政改革のもとに、IT化に伴なって入札制度の改革を必要以上に進めてしまいました。この改革が必要な事は分かります。透明性、公平性、競争性…。市民にとって、公共事業であるならば当然ですが、一つ忘れてしまったのは、地場企業の育成という観点です。心の通った暖かみのある関係が見すごされてしまった事です。

必要以上の競争性、それは決して健全な競争とは言えません。
その結果、この町の建設業、土木業の人達は会社を止めたり、他の町へ行ってしまいました。

一生懸命汗をかいてがんばっている人達が少しでも報われるという環境でなければ誰もやりません。
災害があったりした時にも手を貸しません。癒着なんかではありません。健全な「おたがいさま」という信頼関係が構築できなければ、いい横須賀の町づくりは出来ません。行政も議会も、その事にはあまり感心がなかったようです。

今までの話は問題点のほんの一部です。もっと多くの不満や不安がこの町にはあります。前市長の沢田さんが唱えていた「来てみたい町」「住んでみたい町」と言った想いはどこへ行ってしまったんでしょうか。その前市長は結果が出ないまま、この町にはもういません。

そういったさまざまな想いを持つ人達が、横須賀を変えたい…、行政に対する当り前のチェック機能を取り戻したい…。市民の声をもっともっと吸い上げていきたい…等、そういう志を持った人達が、今回の市議会議員選挙に立候補をしたのは、しごく当然の事だと思います。

私が今思う事は、現職の議員も新人候補も、この選挙戦は自分の想いを市民に対して、十分にメッセージを送り戦えばいいのだと思います。そして勝ち残った人達が、バッヂをつけたら4年間を一票を投じてくれた人達の目線に立って、横須賀を誇りに思える町づくりに、子供達に誇りの持てる街にするために皆でがんばればいいのだと思っています。

今回の選挙がそんな横須賀の街づくりの活動のスタートになればと思っています。選挙を戦い抜くそれぞれの候補者に心からエールを送ります。そしてそれを支えていく市民の方々にも、しっかりと選択をしていただく事を心からお願いしたいと思っています。